朝、登園を嫌がる子への声かけ。ーー「行きたくない」は、実は健康なサインです。
2026.9.18
「保育園、行きたくない」
「ママ(パパ)と一緒にいる」
「お家で遊ぶ」
朝、玄関で泣かれてしまうと、こちらまで泣きそうになります。
仕事に遅れる焦りと、子どもの涙と、罪悪感がぐちゃぐちゃに混ざる時間ーー
登園しぶりは、ママ・パパにとっていちばん心が削られる場面のひとつかもしれません。
このページでは、ゆうすい保育園の保育士が朝の現場で大切にしていることを、率直にお伝えします。
まずは前提:「行きたくない」は、実は健康なサイン
ひとつ、最初にお伝えさせてください。
お子さまが「行きたくない」と言うのは、
ご家庭が「いちばん安心できる場所」になっている証拠です。
子どもにとって、ママ・パパと過ごすお家は、世界でいちばん安心できる場所です。
そこを離れて、別の場所に行くのが寂しい、不安。
ーーこれは、子どもがまっすぐ育っているサインです。
「うちの子だけ、毎朝泣いてしまう…」と思う日があっても、
それは親子の絆がしっかりしているということ。
ご自分を責めないでください。
やってはいけない、3つのこと
良かれと思ってやってしまいがちですが、長い目で見ると逆効果になりやすい対応があります。
NG①:嘘で連れていく
「今日は楽しいことがあるよ」と言って連れていったのに、特別なことがなかった。
「すぐ迎えにくるよ」と言ったのに、いつも通り夕方まで帰らなかった。
子どもは、こうした小さな約束破りを、ものすごくよく覚えています。
「ママ(パパ)の言うことは信じられない」と感じると、登園しぶりはむしろ強くなります。
嘘ではなく、本当のことを、シンプルに伝えてあげてください。
NG②:無理に引き剥がす
泣いている子を、保育士に「ハイ!」と渡して、振り向かずに走り去る。
ーーこれは、ご家族にとっても辛い瞬間です。
ただし、子どもにとっては「突然消える」と感じることがあります。
別れの儀式がないまま消える方が、不安が増幅されます。
短くてもいいので、「いってきます、また夕方ね」と顔を見て言うだけで、子どもの心は落ち着きます。
NG③:「今日はお休みする?」と問い直す
朝、ぐずる我が子を見て、つい「お休みする?」と聞きたくなります。
でも、これは子どもを混乱させます。
「今日は行く」と決めて家を出たなら、その方針はぶらさないでください。
「行くけど、寂しいよね。分かるよ」と気持ちには寄り添う。
でも、行く・休むの選択肢を毎朝再オープンにしない。
ーーこの一貫性が、子どもの安心につながります。
効く声かけ4つ
ここからは、ゆうすい保育園の保育士が朝、現場で実際に使っている声かけです。
①「寂しいんだね」と気持ちを言葉にする
「行きたくない!」というひと言には、いろんな感情が詰まっています。
「ママと離れるの、寂しいんだね」
「もっとお家で遊びたかったんだね」
代わりに言葉にしてあげると、子どもは「分かってもらえた」と感じて、すうっと落ち着くことがあります。
否定せず、まず気持ちを認めてあげることから始めてください。
②「お迎えのとき、何して遊ぼうか?」と未来を渡す
朝の意識を、「今、別れる」から「夕方、また会う」に向ける声かけです。
「お迎えのとき、何して遊ぼうか?」
「帰ってきたら、絵本読もうね」
未来の楽しみが見えると、別れの不安が小さくなります。
そして、夕方その約束を守ることが何より大事です。
小さな「ちゃんと守ってもらえた」が、翌日の朝につながります。
③「先生に、絵本見せてみる?」と園に橋を渡す
ご家庭から園への気持ちの橋渡しです。
「先生にこのお洋服、見せてあげようか」
「今日は何の絵本読むかな、先生に聞いてみよう」
園で待っているもの、人につなげる声かけ。
「行きたくない場所」が「先生に会いに行く場所」に変わると、子どもの足が少しだけ軽くなります。
④ハグして、はっきり別れる
最後の別れ際は、長引かせず、はっきり。
ぎゅっと抱きしめて、「いってきます、また夕方ね」
ーーそして、振り返らない。
寂しいときほど、別れの儀式を短く・はっきりすることが、子どもの安心につながります。
ぐずぐず長引くと、子どもも切り替えるタイミングを失います。
ゆうすい保育園では、こう受け取っています
朝、泣いてくるお子さまを、私たち保育士は笑顔で受け止めます。
「おはよう。来てくれてありがとう」
「ちょっと寂しかったね。先生と一緒にいよう」
そして、預けてくださったママ・パパには、
「大丈夫ですよ、いってらっしゃい」と笑顔でお見送りします。
ということは、よくあります。
朝の数分の涙は、子どもにとって「お別れの儀式」のようなもの。
私たちはそれをまるごと受け止めて、お子さまの一日が始まるように関わっています。
帰宅後のフォローも、大事です
別れ際の関わりだけでなく、お迎えのあとの時間も大切なフォローの場面です。
①「待っててくれてありがとう」を伝える
「お迎え遅くなってごめんね、待っててくれてありがとう」
「会えて嬉しい」
これは謝罪ではなく、お子さまの待っていた時間を尊重する言葉です。
「自分の時間を、大事にしてもらえている」という感覚が、翌朝の安心につながります。
②今日のお話を、ゆっくり聞く
「今日、なにして遊んだ?」
「お友だちと、なんかあった?」
園での出来事を、お子さまから言葉にしてもらう時間。
その日の経験が、ご家族に共有されることで、お子さまにとって園は「お家の延長」になっていきます。
③朝の約束を守る
朝、「お迎えのとき、絵本読もうね」と言ったなら、ぜひ読んであげてください。
朝の約束を守る積み重ねが、登園しぶりを少しずつ和らげていきます。
「いつまで続くんだろう」と思う日も
登園しぶりは、長く続くと心が削られます。
「もう、終わりが見えない…」と感じる日もあると思います。
でも、子どもは少しずつ、確実に園に馴染んでいきます。
今朝大泣きした子が、3ヶ月後にはニコニコで登園している、ということはとても多いです。
ご家庭と園が、同じ方向を向いて関わっていけば、
「行きたくない」は必ず「いってきます」に変わります。
そのプロセスを、ご家庭だけで抱え込まないでください。
私たちと一緒に、お子さまの一歩一歩を見守らせてください。
私たちの保育観
子どもの「寂しい」を、無いことにしない。
子どもの「行きたくない」を、ダメなこと扱いしない。
ゆうすい保育園は、そうした子どもの感情を、まずは受け取ることから保育を始めます。
受け取ってもらえた感情は、子どもの中で「安心」と「自分でやってみよう」に変わっていきます。
これが、私たちが大切にしている関わり方です。
ご相談・見学について
「うちの子の登園しぶり、どう関わったらいい?」
「もう半年経つのに、毎朝泣くんです」
そんなご相談も、見学のときに気軽にお話しください。
ご家庭の事情を聞きながら、ご一緒に方針を考えます。


